懇願されているのに、断ることを許さないというその雰囲気に圧倒される。 今帰ってしまったら、お互いが必死に保っていたモノが壊れてしまう、引き金になってしまう。 ダメだ、帰ったらいけない、のに。 「春香」 ────自然と私の足はユキに導かれるがまま、アパートに向かって進んでいた。 ***