一気に視界が反転し、気が付くと背中はソファー、視界はユキでいっぱいになっていた。 さっきまでユキの頰に触れていた指先は絡め取られてしまっていて、低体温なこの子にしては熱い手のひらに心がギュッと締め付けられる。 「……ユキ」 私の呼び掛けに返事はない。急速に思考が冷えていく。