「私ね、変わったわけじゃない」
だけど今はそんな恐怖感はないからか、秀人から一歩距離を置いて口を開く。
「本当はたくさん笑うし、自分の意見だってある」
「……」
「自分に自信がなかったし、あなたに嫌われたくない一心で何もかも覆い隠してた」
「……そう、だったのか」
「でも、自分を偽ったままで長続きするわけがなかったんだよね。フラれて当然だったのよ」
そう、当然だった。
傷ついて、なんでなんでと考えていたけれど、当たり前のことだったんだ。
自分の欠点も何もかも見せずに、取り繕ってこの先ずっと一緒にいようなんて、甘い話だった。
しばらく見つめ合っていたが、ふと時計を見たら電車の時間もギリギリで驚く。……そして。



