愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




 なんでこのタイミングで来ちゃうの……。



「(まずい)」



 私の肩を掴む上司の腕に、ユキの手が伸びる。
 私は咄嗟に手を伸ばし、ユキの手が上司に触れる前にその手首を掴む。



「ダメよ」
「……春香」
「ダメ。……分かるでしょう?」



 怒りの灯った目をジッと見つめ、視線だけで嗜める。
 そしてその場から一歩後退し、見るからに動揺している上司に向けて口を開く。