愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「……なにしてるの?」
「は、なんだコイツ……」
「ねぇ、僕……何してんだって聞いてるんだけど」



 地を這うような低音と共に、その場の空気が一瞬で凍った。



「何してんだって聞いてるんだよ」



 まるで威嚇するような、低い低い声。
 居酒屋が集まった騒がしい通りのはずなのに、その場だけがピシリと凍りついた。


 上司の後ろに立つユキは無表情なのに、雰囲気からあまりにも怒りの感情が溢れていて、その場に居た全員が固まっている。