愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




 一人でいる事を受け入れているつもりだったのに、そうではなかった。
 そんな自分に気付かせてくれた。そしてユキの過去を知り、受け入れ、もう『弟』とかそんな括りにできなくなってしまった。


 ────ユキが『大切』な存在になってしまった。
 だからこそ、最近ユキの雰囲気が変わってきていることが気掛かりだ。そして、それに冷静を保っているつもりが内心少し動じている自分にも。


 その線引きは絶対に間違ってはいけない。



「……ごめん、ちょっとトイレ」
「わかった。気持ち悪い? 大丈夫?」
「ううん、すぐ戻るね」



 とにかく、ユキになるべく早く帰るとだけは連絡しないと。
 座敷を出てトイレに向かう。しかしそこで、あるものが目についた。