(ユキside) 「遅くなるなら連絡してね」 「もちろんするわよ。でも迎えにはこないでね」 「……」 「ユーキ?」 「善処する……」 「してね、絶対よ。それじゃあいってきます」 これが今朝の出来事。 玄関での念押しに、食い下がったがダメだった。迎えに行かせてほしい。むしろ来てと言ってほしかった。 時計はもうすぐ23時を過ぎるところだ。 テーブルに頬杖を付き、春香の言葉を思い出す。