愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「今更、向き合って貰えるんでしょうか」
「……え」
「ユキに前の主人の面影を重ねて、ずっと引きずって勝手に苦しんで、ユキが寂しいのを隠して笑っているのに気付いていながら、忘れなくてもいいからと支えてくれた今の主人と再婚して……」
「……」



 ユキのお母さんのハンドルを握る手に、どんどん力が入っていく。何かを後悔するように、声が震えている。



「前の主人が亡くなってから、ユキから目を背けていたのは私なんです」
「……」
「あの日、自分の汚い感情を聞かせて、傷付けてしまったのも私なんです」
「……っ」
「……なのに、いなくなった後になって。後悔してるなんて……」



 ────この人も、ユキと同じように大切な人を失って傷付いていたんだ。