本当はずっと、誰かにこうやって抱きしめて赦して欲しかったんだ。 春香の背中に腕をまわして、深く息を吸う。 「ありがとう」 「ユキ、私がいる」 「え?」 「私がいるからね」 「……うん」 胸がどうしようもなくあったかい。 ずっと心の奥底にあった寒さは、いつの間にか姿を消していた。 ***