「────あの子の顔、どんどん死んだあの人に似てくるの」 お母さんの嗚咽が聞こえ、思わず立ち止まる。 「落ち着いて」 「……あの子の顔を見ていると、辛くて苦しくて……どうしようもないのっ」 「っ……」 母の静かな叫びに、頭をガツンと殴られたような衝撃が走り足元がふらついた。 僕が、お父さんに似ていることでお母さんを苦しませてる? なんで、お母さん。 あんなにお父さんはお母さんを大切にしていたのに。 新しいお父さんができても、それはずっと変わらないものじゃなかったの?