そんな言葉が喉から出てきそうになって、ぐっと飲み込む。 女手一つ、きっと大変だったに違いない。支えてくれる人がいるならいいじゃないか。 僕はまだ子供だ、仕方ない。仕方ないんだ。 「────おめでとう。お母さん」 複雑な想いを押し殺すように笑顔を作った僕を見て、お母さんは何かに気が付いたように目を見開いた後、小さく『ありがとう』と言った。 それからすぐにお母さんは再婚した。 再婚相手はとても優しい人で、僕のことも本当の息子のように扱ってくれて、お母さんを大切にしてくれた。