「僕を見てると、死んだお父さんを思い出して辛いんだって」
「待って、なんでそんなっ」
思わず、ユキの両頬を手のひらで包む。ユキの話は、まだ終わらない。
「……ごめん。全部、最初からちゃんと話すから……聞いてて、春香」
夜の闇が、ゆっくりと私たちを吸い込んでいく。
ユキが一人で眠れなくなった、寝床を探して夜の街を渡り歩いていた原因が、やっと分かる。
自分の傷を明かすのは、とても勇気の要ることだって私が一番知っている。だから、どんな話でも私は受け止める。
「うん、ちゃんと聞いてる。ちゃんと聞くから」



