愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




 胸に冷たいものが落ちる。
 私は、このままこの子を失ってしまうの?この子に何も返せないまま。


 ――――失う? 何を言ってるんだ私は。
 

 よく考えて……。
 最初に手放そうと、ユキを家に帰そうとしたのは、私でしょ?
 世間一般の、誰もが考える常識に囚われて――――



「――――ユキ」



 そっか、そうだよね。
 なんて私は馬鹿だったんだろう。腹の底から自分に怒りが込み上げてくる。


 親と和解しろ、話し合え、家に帰ったほうがいい。
 ……そんな言葉、きっとユキは飽きるほど言われてきてて、それでも居場所を探すように夜の街を渡り歩いていたんだもの。


 その言葉は、ユキにとっては正解ではなかったんだ。それを、信じていた私に言われたら……。