「約束、ちゃんと守って」
「だ、だって……眠ってたから……」
「早く添い寝して、温めて」
恐ろしいほどキレイな、エメラルドグリーンの瞳に吸い込まれそうになる。
色白で長い指が私の頰を撫で、男性にしては艶のある柔らかな声色で、甘えるように囁かれた。
そんな口説くような甘い声出して。さっきはシないなんて言ってたけど、本当は私のことをっ……!!
そう思うと、自分の中で張り詰めていた何かが弾ける音がした。
「そっ……そっちこそ」
「え?」
「そっちこそ!!約束守りなさいよっ!!」
バシッ!!
「わっ……!!イテテッ……ちょっと待って!」
「いやいやいやーー!!!行きずりなんてやっぱり絶対いやっ!」
力の限り、何度も青年の胸のあたりを叩く。
そして半泣きになりながらも、なんとかベッドから起き上がろうとする私の手を、青年が絡みとった。



