――その表情は不安そうで、怒りを隠しているようだった。
今まで一緒に過ごしてきて、見たことのないユキの表情と固い声色にたじろぐ。
だって、家出していた家に母親と和解し帰れるならば、私の家に居候しているよりもずっとユキにとって良いはずだ。
私は間違ったことは考えてはいない、はずなのに。
ユキはそれを感じ取ったように、頭を軽く掻くと弱々しく声を発した。
「あの日、春香が拾ってくれた日。すごく嬉しかったんだ」
「ユキ……?」
「まるで、自分に居場所ができたようで」
ユキはいつものように笑おうとしているのに、笑えていない。
口角だけを力なく持ち上げ、視線はふせている。



