「……ありがとうございます」
「え」
「あなたのようなしっかりとした人が、ユキと一緒にいてくれたんですね」
「……あ、あの」
私の声など届いていないかのように、ユキのお母さんはカバンからメモとボールペンを出し、スラスラと何かを書き込んでいく。
そして私にそれを差し出した。
「私の連絡先です。よかったらここに連絡をください」
「……ま、待ってください」
「はい」
「ユキを、家に帰してほしいとか……私を責めるとかないんですか?」
「ありません」
「家族なのに、彼が家出をしていて心配ではなかったんですか?」
徐々に、心に怒りの炎が灯っていく。
ユキの家出にどんな理由があったかはわからない。でも、それでも心配するのが親の役目でしょ?



