愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




 ユキは、一体何を考えているんだろう。


 ユキの実家は、私と初めて出会った駅から歩いて数十分の住宅街の一角にあるらしい。
 街灯もない道、ましてや雪が積もった道をそんなに歩くのは体力がいる。
 ユキは慣れた様に歩いているけど……。



「(帰りは絶対タクシーで帰ろう)」
「帰りはタクシーで帰ろうって考えてるでしょ」
「うっ……なんでわかるの」
「だってめちゃくちゃ春香疲れてるし、無言だから」
「……幾ら何でもこんなに歩くなんて」
「文句言わないの」
「!!」
「……ってよく春香言うよね」
「嫌だけど似てるわね」



 ユキは結局私の手を引いて雪道を歩いてくれて、私はそれに黙って甘えていると、やっとユキの家にたどり着いた。
 住宅街の一角にある、一際目立つ大きな家。