「ユキ、あなたねぇ……ここは外国じゃないのよ」
「知ってるよ」
「貞操観念ってものはないの?」
「……」
「とにかく!可愛く見えたんだかなんだか知らないけど、軽い気持ちでキスはしちゃダメ!」
「……ハァイ」
「なによその顔」
眉根を寄せ、何か言いたげなユキ。
透き通るような銀髪が一筋目に掛かっている。
落ち込ませちゃった……?
いや、でもこれはちゃんと注意しておかなくちゃダメだ。
したくなったからしたなんて、ユキらしいというかなんというか……。
抱きつくのも一緒に寝るのも、ユキが生きていくのに必要なことなんだろうな、と思って応じてきたけど。
まさかキスまでなんの抵抗もなくするなんて。



