キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


***


翌朝────

一際目立つ赤髪を駅のホームで見つけた。


「深見先輩。おはようございます」

「うおっ!」


後ろから声をかけただけなのにすごく驚かれた。

昨日、あんなに凄んでいた人とは思えない……。


コソコソ隠れていた深見先輩。
視線の先にいたのは、電車を待って並んでいる人たち。


「あ、まなかっ!」


その中に知り合いを見つけた私は、名前を呼んだ。

セーラー服の女の子──まなか。
こっちに気づいて、小さく手を振ってくれた。


相変わらず、所作も佇まいも美しい。
……なんて思いながら、視線を隣に戻すと。


「な、なんで……お前」


深見先輩が目を丸くして私を見ていた。

その顔は、髪色のように──真っ赤。