「来るの早ぇな。深見はどうした?」
「知るかボケ」
「あ?」
私を囲っていた男たちを無理やり引き離す。
「サリーちゃん、大丈夫?」
「は、はい……」
「はぁ……良かった」
安心する日南先輩の顔を見て、本当に心配してくれていたのだとわかる。
心配かけちゃって申し訳ないという気持ちと、来てくれて嬉しいという気持ちが混在して……少し複雑。
「おい。深見呼んで来いって言ったろ」
「なんでお前の言うこと聞かなきゃいけねぇんだよ」
「てめぇ」
一触即発の事態。
私は、日南先輩の背中に隠れて、服をぎゅっと掴む。
日南先輩の大きな背中は簡単に私を隠してくれた。
とそこへ────
「来てやったんだから、それ以上日南たちを巻き込むなよ」
低い声がした。



