キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


「お、帰った」


そうこうしているうちに、彼女たちは満足げに店を出て行った。……アクセサリーも見ずに。


「はぁ……。日南、サリー、悪かったな」

「こっちこそ逃げてごめん。……よく帰ったな」

「今度遊んであげるからって言った」

「え、マジ?」

「嘘に決まってんだろ。徹底的に無視してやる」


本当に嫌なんだ……。
その目に宿す嫌悪感が本気。


「あおやんはブレねぇな……でも、マジで困ったら言って。俺らでどうにかできるならするし」


日南先輩の言葉に、
青柳先輩は「ありがとう……」と呟いて。


────微笑んだ。


え……笑った……。
それも、なんかすごく優しい顔で……。


ビックリ……!
さっきまであんなに怖い顔をしていたのに。