カランコロン────
他に客のいない店内に響いた入店音。
ぞろぞろと入って来たのは、他校の制服を着た3人組の女子高生。いかにもオシャレ大好きって感じの女の子たち。
彼女たちは、アクセサリーに目もくれず「青柳くーん」と猫なで声で店員の青柳先輩に声をかけた。
「やべ。サリーちゃん、避難するぞ」
「え?」
その女子たちを見るや否や、日南先輩が私の背中を押して店の奥へ逃げる。
……ここってスタッフオンリールームなんじゃ。
と思ったけど、どうやら体験用の部屋みたい。
「……知り合いですか?」
「一度だけみんなで遊んだことがあるんだよ。それ以来、また遊べってしつこくて……無視してた」
だから会いたくなくて、奥に避難したのか。
さすがモテる先輩たちは違う。



