キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


学校からアクセサリーショップまで、日南先輩と並んで歩く。

傍から見たら、なかなか稀有な組み合わせだと思う。

ピンク髪の派手な男子と黒髪ポニテの普通な女子。自分で言うのもなんだけど……不良と優等生みたいな。


下校時間がズレているおかげで、撫高の生徒がいないのがせめてもの救い。こんなところクラスメイトに見られたら絶対騒がれるもん。


「ここだ!……あおやんいるかなー?」


駅から少し離れた路地裏にこじんまりしたアクセサリーショップがあった。

カランコロン──と懐かしくなるような音を立てて店内に入る日南先輩に続いて、私も入店する。


「いらっしゃ……んだよ、日南かよ」


出迎えてくれたのは、青髪の店員さん──青柳先輩。


「よっ!」

「こんにちは……」

「サリーまで……。ったく、ちゃんと客として来たんだろうな?」

「いや。遊びに!」


屈託ない笑顔を見せる日南先輩を、青柳先輩が睨む。

私は慌てて、
「買います」と言葉を挟んだ。