キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


***


当番でちょっと遅くなっちゃったけど、やっと帰宅できる。


「サリーちゃんも帰り?」

「日南先輩……!」


下駄箱で靴を履き替えている時。
日南先輩が通りかかった。珍しく1人。


「先生に呼び出されちゃってさ……しかも、俺だけ。最近はちゃんと学校に来てるんだけどなー」

「そうなんですね……前はどうして学校に来てなかったんですか?」

「バイト」


まさかのバイト……!

日南先輩の生活ってお金がかかりそうだもんね。ピンク色を維持したり、友達が多いから遊ぶお金が必要だったり。


「日南先輩も青柳先輩もバイトしているんですね」

「ん?あおやん?」


あおやん……って、青柳先輩のあだ名かな。


「アクセサリーショップでバイトしてるって聞きました」

「あー、そうそう。駅からちょっと離れたところにある小さい店だけど、手作り体験もできて楽しいところだよ」

「へぇ。日南先輩は体験したんですか?」

「一度だけ」