怖かった。 髪色もキラキラした世界も──日南先輩の全部が、私と違いすぎて怖かった。 階段の人が日南先輩だと知って、イメージを壊された気がして……もう知りたくないと向き合わなかった。 でも──あの時間は変えられない。 見た目がどんなに怖くても、あの楽しかった時間をなかったことにはできない。したくない。 私を救ってくれたのは、紛れもなく、このピンク色の髪の先輩なんだ。 日南先輩は怖くなんかない。 私を救ってくれる──優しい優しいヒーローみたいな人。