キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


「俺たち見てたんだよなー。あんたが坂下サンにわざとぶつかるところ」


言葉を補足するように会話に入ってきたのは、青柳先輩。

気づけば、私の周りをカラフルな問題児集団が囲っていた。まるで守るみたいに……。


5人の騎士と農民の小娘──不釣り合いな組み合わせ。

しかも、5人の騎士はただの騎士じゃなくて、柄の悪い問題児たち。

圧倒的な存在感と拭いきれない威圧感の彼らが守るのは、農民の小娘。


どうして……桐生先輩たちまで?

私と先輩たちの世界は平行線のはず。
決して交わることのない人たちなのに……どうして私を庇ってくれるの?


「なんで、あたしが……。彩織がぼーっと突っ立ってるのが、悪い…………っ!」


それでもなお、先輩は反論しようとする──が。言い終わる前に言葉を切った。