キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


……どうして私ばかり。

辞めるのは負けを認めるみたいで嫌だった。だけど、こんな思いをするくらいなら、早く辞めれば良かった。


目頭に熱いものが集まる感じがした──その時。



「「キャー!!!」」


ざわざわしていた教室内が黄色い歓声に変わって、騒ぎ立てる声が耳を貫く。


……なに?

咄嗟に先輩から視線を外し、辺りをキョロキョロと見回す。

しかし、私の視界に映るのは生徒たちの足や椅子などの障害物。何が起きているのか全然わからない。


再び先輩に視線を戻す。
すると、あんなに鋭かった先輩の目が大きく開かれていた。


その視線を追って私も振り返り……ようやく理解した。