……そうだよ。星野くんに頼めば良かったじゃん。

幼なじみだから当然、連絡先も知っている。


愛良に泣きつくより先に、前の席の星野くんに話すべきだった。


「いや!連絡しない。あたしの案、とっても素敵だと思うの。だから、この方法で日南先輩まで届ける!」


早速スマホを借りようと思った私だけど、愛良がすかさず止めに入った。


趣旨が変わってる……。

私は謝りたいだけなんだけど。


「そう。じゃあ万桜くんには、坂下が元気なことだけ伝えておく」

「うん、そうして。よろしく」


──こうして #日南先輩まで届け が始まった。