巻き起こる拍手。
うちの学校の先生は良い人たちばかりだけど。
……愛良。声がでかいよ。
ぐわんぐわんと身体を揺さぶられながら、私の顔が真っ赤になる。
「あ、そうだ!職員室のベランダって、登校してくる人が見れるよね」
思い立って私から手を離した愛良。
嬉々とした表情を浮かべる。
「う、うん……」
「日南先輩が来るまで待っていようよ。……先生、ベランダ出ていい?」
「いいけど、授業が始まる前には戻れよ」
「はーい」
愛良に連れられて、ベランダに出た。
職員室は昇降口の上にあるので、確かにここなら登校してくる人がわかる。
現に、校門から校舎に向かって来る生徒がちらほら。みんな前を向いているから私たちに気づかない。
なんだか覗き見している気分……ごめんなさい。
日南先輩が来るまで、愛良に昨日のことを話して待つことにした。



