『もう俺のこと考えなくていいよ』
どうしてあんなことを言ったんですか……?
手遅れだからですか……?
告白のことを考えないでいい──のは、もう好きじゃないから?
ようやく好きだって気づいたのに。
考えないで、なんて──
そんなのいやだ。
どうすればいいの……?
「っ!」
早歩きをしていた私は、曲がり角を曲がってすぐ、前から歩いて来た人とぶつかった。
「ご、ごめんなさい……!」
咄嗟に謝って、顔を上げたら……。
相手は、星野くんだった。
────日南先輩の幼なじみ。
些細なことでも日南先輩を思い出す。
すべての物事が日南先輩と糸で結ばれていて……辿れば、日南先輩に繋がるようになっている。
考えないようにすればするほど、考えてしまう。
私の世界は、日南先輩の色で埋め尽くされている。
考えないで、なんて……手遅れ。



