聞き間違いだったら良かったのに── 「告白のことも、知りたいって言ったことも……全部」 思い過ごしだったら良かったのに── 「忘れて……って言うのは寂しいから、これからは考えないで」 だけど、一言一句、丁寧に言うから── なんの思惑もない、言葉そのままの意味だって思い知らされる。 「ごめんね」 残酷なほど優しい声色で囁くと、日南先輩は去って行った。 去り際に残した風がひどく冷たく私の身体を刺す。 私は、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。