確かに、僅かな陽の温かさしか感じない季節。
廊下ですら寒いのに、屋上なんてもってのほか。
それでも平気だって思えたのは、日南先輩に会えるから。
嫌なことから逃げたいわけじゃない。
日南先輩に会うためだけに屋上に行っていた。
『俺に会いたくなったら──ここに来て』
そう言って日南先輩が教えてくれた場所。
“しばらく屋上へ行くのはやめる”
まるで、屋上には来ないで──と言われているみたい。
せめて、「会いたくなったら連絡して」って言ってほしい。
──なのに、突きつけられたのは、もっと冷たい言葉だった。
「それと……もう俺のこと考えなくていいよ」
ぐさりと心に刺さって、重くのしかかる。
「どういうことですか……っ?」



