日南先輩と柴戸先輩がガリスカ話に花を咲かせている一方──私と桐生先輩は、並んで座る。
教えてもらうというよりは、宿題が間に合うように一緒に解くという感じ。
桐生先輩は頭が良い──というのも納得。
スラスラと解いていき、あっという間に終わらせた。
「ありがとうございます……!」
「いいよ、このくらい。お礼みたいなもんだから」
「お礼、ですか?」
「妃愛を手伝ってくれてるんだろ」
あぁ、髪飾り作りのことか……と理解して、ハッとする。
無表情で頬杖をつく桐生先輩の今の心情が読めないけど、とりあえず謝らないと。
「ごめんなさい……!」
「ん?」
「私、柴戸先輩を独占してしまって」
「あー、それはもういいよ。チャラになったから」
そう言いながら、ふっと笑みを零した。



