キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜


***


5時間目の数学の宿題を忘れていた私。
とりあえず被服室には来たけど、宿題で手一杯。髪飾り作りまで行けそうにない。


「ごめんなさい、柴戸先輩……!」

「いえいえ。私も教えられたら良かったんですけど……バカですいません」


毎日の昼休み。
ここで柴戸先輩と髪飾り作りをしている。

最初はお互い緊張していたけど、会う回数を重ねるごとに打ち解けてきた。


柴戸先輩の敬語は抜けないけど。



「そうだ!教えてくれそうな人、呼びましょうか?」


パチンと手を叩いて、柴戸先輩が声を上げた。


「教えてくれそうな人……?」

「あの、彼氏なんですけど……学年1位で頭良いからすぐ終わると思います」

「柴戸先輩、彼氏いるんですか?」

「はい……っ」


しかも、学年1位!

照れるように頷いた柴戸先輩が可愛い。