***
5時間目の数学の宿題を忘れていた私。
とりあえず被服室には来たけど、宿題で手一杯。髪飾り作りまで行けそうにない。
「ごめんなさい、柴戸先輩……!」
「いえいえ。私も教えられたら良かったんですけど……バカですいません」
毎日の昼休み。
ここで柴戸先輩と髪飾り作りをしている。
最初はお互い緊張していたけど、会う回数を重ねるごとに打ち解けてきた。
柴戸先輩の敬語は抜けないけど。
「そうだ!教えてくれそうな人、呼びましょうか?」
パチンと手を叩いて、柴戸先輩が声を上げた。
「教えてくれそうな人……?」
「あの、彼氏なんですけど……学年1位で頭良いからすぐ終わると思います」
「柴戸先輩、彼氏いるんですか?」
「はい……っ」
しかも、学年1位!
照れるように頷いた柴戸先輩が可愛い。



