「私で、充電できますか……?」 「できるよー。むしろサリーちゃんしかできない」 ピンク色の跳ねた毛先が首筋をくすぐって。 フルーティーな香りが微かに鼻腔を抜ける。 たぶん、ワックスの匂いかな……? 日南先輩の声も匂いも熱も。 手繰り寄せるそれらすべてが、私をドキドキさせる。 でも、このドキドキは好きだからじゃない。 今まで知らなかった新しい世界を体験することへの緊張。 だから──── 「よし、充電完了!」 日南先輩が離れて寂しく思うのも、 きっと気のせい。