「やっほー、サリーちゃん」
「くっつくなよ」
笑顔を零す日南先輩と、そんな先輩を引き離そうとする星野くん。
「え、え……?」
私は、仲良さげな2人を交互に見た。
「ていうか、なんでしのとサリーちゃんが一緒にいるの?」
「同じクラスなんだよ……。つーか、早く離れて──万桜くん」
万桜くん!?
「へぇ、同じクラスなんだ。いいな」
嫌がられても気にしていない様子。
……ていうか。
「日南先輩たちこそ、どういう関係ですか?」
「幼なじみ」
幼なじみ!?
……知らなかった。
こんな身近に日南先輩の知り合いがいたなんて。
「素敵ですね……!」
「でしょー」
「んなわけねぇだろ。俺が今までどれだけ苦労させられたか……」
憎しみの炎を瞳に宿す。
いつも冷静で大人っぽい星野くんのこんな姿を見るのは初めて。



