「調べちゃった」
それも、とんでもなく信じ難い言葉を口にして。
調べた……!?
「違う違う」と光石先輩が慌てて訂正する。
「調べてないから!噂で流れてきた辻堂の話が、サリーの話と一致してたからわかっただけ。断じてストーカーみたいなことはしてない!」
「あ、なるほど……」
まさか相手が辻堂くんだと気づいていたとは。
知られて困ることはないけど……秘密を知られたみたいで恥ずかしい。
「ま、気にするなよ。ああいうできた人間ほど、男としてはつまらねぇから」
「それは嫉妬にしか聞こえん」
「つまらないかはさておき、もっと面白い奴はいるよな」
「そうそう。身近にね」
憐れみを含んだ先輩たちの言葉。
飛んでくるそれらは優しいものだったけれど。
励まされている……?
なんでそんな言葉をかけられるのかわからなかった。
「もう気にしてませんけど……え、もしかして、引きずってると思われてます?」
私がそう言うと、みんな「え、違うの?」という顔をした。
……日南先輩まで。



