いじめ……?
……あ!そういうことか!
「うん。何もされてないから大丈夫……!」
日南先輩の言葉にハッとして、なるべく笑顔で答えた。
私と問題児集団があまりに珍妙な組み合わせだから、辻堂くんは、私がいじめられているのではないかと考えたんだ。
それで私に声をかけてくれた。
見過ごせない性格。
辻堂くんはそういう人だった。
安心したようにホッと息を吐く辻堂くん。
「そっか。余計な心配だったな。ごめん。……じゃあ、また明日」
「うん、ありがとう。じゃあね」
店を出るまで彼の背中を見送った。
確かに、場違いな私は友達には見えないよね。
もしかしたら周りの人たちも、私のことを「下僕」だと思って見ていたのかな。



