「あいつ、最近彼女ができたらしくて、その相手が今サリーと話してる友達」


サリーちゃんの方へ視線を戻すと、隣にボブカットの小柄な女子がいた。

……なるほど。
サリーちゃんの話と合致するってわけか。


「……調べたの?」

「違う違う。勝手に噂が耳に入ってきたの。辻堂って1年の中じゃそれなりに人気なんだって」


そういうこと。
現に囲まれている辻堂を見れば納得できる。


「それをなんで俺に?」

「わかったのは、野球部ってことと同じクラスってことだけなんだけど……」

「野球部……?」

「うん。ショートだって」


野球部って確か……この前、サリーちゃんが見てたよな?

考え事してたって……。


「どした?日南」

「いや、なんでもない。……続けて」

「まぁつまり、何が言いたいかっていうと……日南って案外、サリーのタイプなんじゃない?」


「……は?」


今の話のどこでそういう結論に至るのかわからない。