『……あの時は疑っても仕方ねぇだろ。俺も多少はやりすぎたと──』
「私は岳に助けられたよ。本当にありがとう」
『…………』
「岳にとったら私は邪魔かもしれないし、私にできることなんて限られてるかもだけど、最後まで一緒にシゴトさせてほしい。
私1人だけここで安全なところに避難したらさ……お互い、これから先ずっと心から信じられなくなっちゃうと思うんだよね」
『…………』
「できることがあったらなんでも言って。もう私のことは守らなくていいよ。
私、運だけはいいんだ。ほら、今までどんなに危険なことがあっても死んでないし」
ね?、と言うけど岳は無言。
ただ通信機から物音だけが聞こえてくる。
もう一度声を出そうとしたところで
『美鈴、今日が命日になってもしらねぇからな』
聞こえてきた声。