月夜に笑った悪魔 (番外編)



私はどれくらい寝ていたのか。
数十分?それとも1時間……?


岳はどうなったの!?
今どこに!?



前を見るけど誰もいない。
ここには私しかいないのかと思ったけど、横を見れば……誰かいた。


数メートル離れたところに立っている柱、そこに誰かが私と同じように縛りつけられている。



スーツ姿の1人の男性。

気のせいじゃなければ縛りつけられてるあの男性は、ホテルの会場内でウェイターをやっていた人。
その人はぐったりしているから、たぶん気を失ってる。


あの人がなんでここに……?




『──おい、起きろ』


耳元で急に聞こえてきた岳の声。


「……岳?」


私はきょろきょろとまわりをまた見た。
でも、岳の姿はなく。


『デカい声出すな』


姿は見えないのに、また声は聞こえてくる。