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『……──ろ』
どこか遠くで聞こえる岳の声。
その声は少しずつ近づいてきて……
『……──起きろ』
私の頭の中にしっかり届いた。
パチッと目を開ける。
ぼんやりとした視界。
何度も瞬きを繰り返すと視界が定まってきて、目に入ったのは広く大きなプール。
口の中にわずかな痛みと苦味も感じて、思い出す。
ここはホテル。
今はシゴト中……っ!
私、寝てた!?
……そうだ、岳になにか飲まされて眠気が来たんだっけ。
たぶん、あの時飲まされたのは睡眠薬。
爆弾が爆発してもいなさそうだし、今私が生きてるってことは岳の作戦は上手くいったってことだろう。
……どこも痛くないし、岳に助けられた。



