な、なにして……っ!
これは暁たちとも連絡がとれる通信機だったのに……!




「岳──、っ」


彼の行動に驚いて声をかけようとしたが、私は途中で口を閉じた。



腕をつかまれた手に、いつまでも込められる強い力。
痛くて顔を歪めるが、彼は離してくれない。






「俺の目的は昔から変わるわけねぇよ」



口角を上げる岳。
そう言った彼の瞳は、ひどく冷たい目をしていた。



「俺から大事なものを奪った憎き一条組を潰す、この目的は変わるわけねぇんだよ」


続けて落とされる声。