「一条組のオンナなんかと一緒にいて、一条組なんかの下について、犬になって……プライドはないのか、月城岳さんよ」


今度は岳に向けられた視線。



この人たちは……一条組と月城組が五分の盃を交わすことに反対して、組を抜けたんだろう。
それで、やり方が気に食わなくて恨んでいるんだ。


月城組は、一条組の下についたわけじゃない。
五分の盃だから、どちらが上も下もないのに。





「……だれが、落ちたって?」


岳はここまで案内させた男性を解放し、私へと手を伸ばし。
強い力で引っ張って引き寄せると、私の横髪をどけて耳にしていた通信機はずす。


そして、自分の耳にしていた通信機も岳ははずし、それを落とすと自らの足で踏み潰した。


バキッ、と音がして壊れる通信機。