私は「わかった」と返事をして、足を進めた。 緊張して出てくる手汗。 大人っぽくメイクをしたけれど、私だってすぐにバレてしまわないかという不安はある。 ぎゅっと強くつかむショルダーバッグのストラップ。 平静を装ってその男性に近づいていき、声をかけようとした時──。 「はじめまして」 視界に入ったのは、スーツに身を包んだ若い男性。 爽やかな雰囲気を纏うその男性は、明らかに私を見ている。 声をかけられたのは、確実に私。