月夜に笑った悪魔 (番外編)



……すごすぎる。
こんなところに来れることなんて、きっともうないだろうな。




「ここにいる人たちってみんなお金持ちの人なのかな……──って、あれ?」


きょろきょろ会場内を見渡して、隣に目を向けるが……。
隣にいたはずの岳の姿はなかった。


……え?
いつの間に!?

どこに消えたの!?



岳とは一緒に会場内に入って、ついさっきまで一緒にいた。
本当に、ついさっきまでは一緒にいたのに。


この数秒でなにがあったんだ。
目を離したのは、ほんの数秒なのに。


きょろきょろとまたまわりをよく見渡していると。








『……オンナ。おまえのすぐ近くにいるウェイターと接触しろ。
それからなんとかして会場の外へ連れてけ』


急に、右耳につけていた通信機から聞こえてきた声。
その声は、岳の声だった。