せめて岳にこれだけでも被せておけ、ってことだろう。


っていうか、私が岳と!?




「俺が美鈴と組む」


ぐいっと私の肩を引き寄せたのは、隣に座る暁。
だけど紫乃は、すぐに「だめよ」と返した。


「何が起こるかわからないし、社長の護衛は念のため2人はいたほうがいい。
ここの社長は、一条組組長の大切なご友人よ。そのお方に万が一のことなんてあったらだめじゃない」
「…………」



……確かにそうだ。
戦闘力がない私が社長の護衛なんてできるわけがないから、ここは岳と組むべき。


「さっきはあんなこと言ったけど、岳様は仲間なら大切にしてくださる方だから大丈夫よ。
美鈴のこと、守ってくれるわ」



紫乃は私の目をまっすぐに見つめて。
私は「行ってくる」と返した。