「班長は私なんです。なので申しわけありませんが、今日は私に作戦の決定権はあります」


少し強めに返す紫乃。
だけど、暁と岳の2人はまだ納得がいかずさらに不機嫌に。




「護衛なんて俺1人で充分だ。だいたい、殺害予告と爆破予告、どっちも本当かどうかわからねぇじゃねぇか。
つーかもし本当でもこのシゴト自体、俺1人で余裕だぜ?俺1人でやるからおまえらは車内で待機してろ」


岳はそう言うと、ため息をひとつ。


その声に暁はまた隣で舌打ち。
車内の空気は……それはもう、最悪すぎる。


「岳様、これは一条組の組長から直々に私たち4人に任せられたすごく重要なシゴトなんです。
なので4人でぜったいやりますからね」


紫乃は“4人で”と強調。


「…………」


岳は無言。
窓の外を眺めて、その後はなにも言わなかった。




シゴトがちゃんと始まる前からこんな最悪な空気だが……
果たして、私たちは何事もなく今日を終えることができるのだろうか。