「これだけあれば不自由なくどこでも暮らせるでしょ?これあげるから今すぐ一条暁と別れて、一条組の家から出てって」
女の子は私を見下ろして強く言う。
私が一条組の家に住んでいることも知ってるんだ。
……ほんと、急になんなんだ。
「別れるわけないから。っていうかなに、あんた。こんなことして恥ずかしくないの?」
ガタッと席を立って、私も強く返す。
ムカついた。
こんなことをされていること、甘く見られてること。
「……もう一度聞いてあげる。これで一条暁と別れて」
私の話が聞こえないのか、また聞いてくる女の子。
「別れるわけない、って言ったのが聞こえなかった?早くそれしまって帰って」
もう一度強く返せば、
「……あーあ。大人しく従っとけばいいのに」
ぼそっとつぶやく。
その声は私の耳にしっかり届いた。



