視線を向けた先は、教室の前のドア。
そこには黒服姿の1人の男性。
この女の子と一緒に来て、ドアのところで立ちどまったのだった。
「もちろん、タダでとは言わない」
来て、と女の子が合図すると教室内へと入った黒服姿の男性。
その人はこっちに来るから、私はいつでも誰かに連絡できるようにぎゅっとスマホを握る。
身の危険を感じたけど、なにかをされることはなく。
男性は持っていたアタッシュケースを私の机の上に置くと、ガチャっと開けた。
見えたものに、ごくんと息を呑む。
アタッシュケースの中に入っていたのは──札束。
本物か、なんて疑ったけど……たぶん本物。
この子が……ヤクザ関係の人だったら、この大金は用意できるだろうから。
……いったいいくら入ってるのか。
何百万……もしかしたら1億はあるかもしれない。



